研究課題/領域番号 |
16K14052
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
エネルギー関連化学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 一永 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50422077)
|
研究協力者 |
熊田 圭悟
吉田 尚生
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | セラミックス / 酸素不定比性 / 酸化 / 還元 / 強度 / 靭性 / 欠陥 / 電子 / 高靭性化 / 電気化学的特性 / 分子動力学 / 機能性酸化物 / 破壊じん性 / 高温 / ナノポーラス構造 / 破壊じん性の向上 / 機械材料・材料力学 / 複合材料・物性 / 環境材料 |
研究成果の概要 |
本研究では、脆弱なセラミックス材料を対象に新たなコンセプトで粘り強さを付与するための方法を探った。今回は、セリア系酸化物を対象に温度ならびに環境を系統的に変えて機械的特性、酸素欠陥、イオン・電子伝導の変化挙動について検討を行った。機械的特性の重要な要素である縦弾性係数は、還元環境では酸化環境に比べて20%程度低下することがわかった。一方、破壊強度は縦弾性係数とは反対に20%程度向上することが明らかになった。これは、還元環境下において酸素欠陥量の増加に伴って、電子伝導が増加することが影響しているものと考えられる。これにより、酸素不定比性酸化物を探索することで靭性向上に貢献できる材料が開発できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セラミックスというと脆くて弱いイメージがあり、構造材料にはほとんど用いられない。一方、耐熱性や耐薬品性などに優れているため、セラミックス単独で構造材を構築できれば応用範囲は格段に広がる。本研究は全く新たなコンセプトでセラミックスの強度を向上することに成功した。原子同士の結合力を弱め、欠陥近傍の滑りを起こすことで金属的な機能を付与することができたものと思われる。今後、き裂先端近傍の観察をより詳細に行うことで現在の金属材料を凌駕する新材料が開発できることが期待できる。
|