研究課題/領域番号 |
16K14139
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
設計工学・機械機能要素・トライボロジー
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
七尾 英孝 岩手大学, 理工学部, 准教授 (50312509)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 有機修飾粘土グリース / トライボロジー / 環境調和 |
研究成果の概要 |
自動車など摩擦を伴う機械装置には省エネルギーや低環境不可が求められている.そのためには高性能な潤滑グリースの開発が求められる.高温,高速回転という過酷な条件下で,摩擦により分解した潤滑油から生成する水素が摩擦材である鋼材へ侵入することで機械的強度が低下する(水素脆化).そのため,本研究では水素脆化を抑制するための新規潤滑グリース開発を目的とした.新規潤滑グリースの材料には環境負荷に配慮し,レシチンで修飾した粘土,つまり天然物を増ちょう剤とした.その結果,レシチンの形成する被膜に板状の粘土が分散した状態の水素バリア層が鋼材表面に形成され,水素脆化抑制の可能性を示唆する結果を得ることができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はグリースの構成材料である増ちょう剤にレシチンで有機修飾した粘土を用いたこと,これらがどちらも天然由来であることが注目すべき点である.レシチンが鋼材表面と反応して形成される潤滑性のリン酸鉄内に鋼材の強度を低下させる水素の通過を妨げる板状の粘土結晶が分散している状態の被膜が形成されたと考えられる.天然物で摩擦を伴う機械装置の寿命を延長できる可能性を示す結果である.また,材料が天然物であることから機械装置の耐久性を向上させるのみならず環境にも配慮したものであることに学術的・社会的意義があると言える.
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