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ミニセルを用いた擬似細胞触媒システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K14496
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分基金
研究分野 生物機能・バイオプロセス
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

田代 洋平  国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (40716726)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2016年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2016年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード合成生物学 / 細胞分裂 / ミニセル / 遺伝子回路 / バイオ生産 / 代謝工学 / 生体機能利用 / 発酵 / 酵素 / 応用微生物 / バイオテクノロジー
研究実績の概要

本研究は、無核小細胞(ミニセル)を放出する遺伝子システムの構築、ミニセルにおける代謝経路の構築、ミニセルへの転写機能付加の3ステップから成る。現在、第1ステップのミニセルを放出する遺伝子システムの開発を行っている。
2つのタイプのミニセル化システムに取り組んでいる。ひとつめは、遺伝子の過剰発現型システムである。実施者はminE、ftsA、そしてzipAの3つの遺伝子に注目し、minEおよびftsAが無水テトラサイクリン(aTc)によって誘導される遺伝子コンストラクトを作製した。zipAは、その毒性のため、他の遺伝子と同様のコンストラクトを構築できなかった。ふたつめは、遺伝子抑制型のシステムである。minCはZリング形成部位を規定するタンパク質のひとつである。minCの発現が不足すると、細胞の中心以外の不適切な場所でZリングが形成され、その結果、ミニセルが放出される。現在、ある化合物を培地に添加した時、minC発現が抑制されるような遺伝子コンストラクトを作製中である。
作製したminEの過剰発現システム(minEプラスミド)を用いて、実際にミニセルが作られるか確認した。ミニセルの確認には、β-ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)をコードしたColE1型プラスミド(プローブプラスミド)を利用した。プローブプラスミド上のlacZの発現はゲノム由来のlacIによって抑制されている。ラクトース不在条件では、lacZは無核であるミニセルでのみ発現されるわけである。minEプラスミドおよびプローブプラスミドを大腸菌へ導入し、その機能を確認した。この実験で、ペレットのβ-ガラクトシダーゼ活性は、aTcによって優位に増大した。aTcはminEの発現を誘導するが、lacZの発現は直接的に誘導しないため、このシグナルの増大はプローブプラスミドを内包したミニセルが生産されたためだと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ミニセル化は細胞分裂のエラーによって生じる現象であり、細胞にとっては回避すべきものである。ミニセル化に関わる遺伝子は毒性が高く、zipAはクローニングすらできていない。minEを利用したコンストラクトでは、ミニセル化を示唆するデータが得られているが、培養液のほとんどは核を持つ細胞である。効率の良いミニセル化システムの構築には、当初予定していたよりも、精密な遺伝子発現のチューニングが必要であることが明らかになった。これが進捗状況の遅れとなっている。

今後の研究の推進方策

1年目に、ミニセル化を誘導する遺伝子システムおよびミニセル化をβ-ガラクトシダーゼの発現によって検出する遺伝子コンストラクトを作製した。2年目は、これらの遺伝子コンストラクトを用い、狙い通りミニセルが生産されていることを確認する。DAPIを用いた核染色法によって、狙い通りミニセルが生産されていることを顕微鏡観察によって確認する。次に、ミニセル化誘導遺伝子システムを比較し、より効率よくミニセル化を誘導する遺伝子システムをスクリーニングする。その中で最も良いものを用いて、ミニセルにおいてグルコース-to-エタノール経路の構築を試みる。

報告書

(1件)
  • 2016 実施状況報告書

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公開日: 2016-04-21   更新日: 2018-01-16  

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