研究課題/領域番号 |
16K14534
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
原子力学
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
若狭 雅信 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40202410)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 同位体濃縮 / スピン化学 / 磁場効果 / 磁気同位体濃縮 / マイクロ波効果 / 同位体比測定法 / 散逸生成物 / エレクトロスプレーイオン化飛行時間質量分析計 / 磁気同位体 / 磁気共鳴 / ラジカル / スピンダイナミクス / 同位体濃縮法 / 磁気的性質 / 共鳴パルスマイクロ波 / 磁場 / ナノ反応場 / 反応ダイナミクス |
研究成果の概要 |
磁気共鳴(磁場+マイクロ波)を用いた同位体濃縮を実現するためには,選択的スピン緩和と反応ダイナミクスの制御が必要不可欠である。本研究では,ミセル中での励起三重項ベンゾフェノンの反応などを取りあげ,生成物収量に対する磁場効果を調べた。生成物の収量に大きな(21%増加)磁場効果を観測した。そこで,共鳴パルスマイクロ波を照射して,選択的同位体濃縮に挑戦した。エレクトロスプレーイオン化飛行時間質量分析計(ESI-TOF-MS)を用いて,生成物中の同位体比測定を行なったところ,炭素-13の同位体濃縮が確認できた。しかし,観測された同位体濃縮は小さく,その原因として緩和機構が考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の同位体濃縮法(遠心分離,ガス拡散,蒸留など)の多くは,同位体の質量数の差によっている。本研究では同位体濃縮には一見関係ないと考えられる,同位体の磁気的性質の差に着目し,同位体濃縮に挑戦した。すなわち,これまでに例のない磁気共鳴を用い,(1)磁場中での共鳴パルスマイクロ波による選択的なスピン緩和と,(2)特異なナノ反応場による反応ダイナミクスの制御によって,13C, 29Si,および33Sなどの同位体濃縮の実現を目指した。この質量数の差によらない新しい原理に基づく同位体濃縮は,同位体濃縮法としての新しい展開が期待されるのみならず,重原子の同位体濃縮に新たな道を開く。
|