研究課題/領域番号 |
16K14685
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
古池 美彦 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 助教 (70757400)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 概日時計 / 時計タンパク質 / KaiC / X線結晶構造解析 / シアノバクテリア / ATPase / 時計タンパク質KaiC / 生物時計 / タンパク質進化 |
研究成果の概要 |
多くの生物は24時間周期の地球自転に対応するため体内時計システムを有しています。光合成生物のシアノバクテリアにおいて中心的な役割を担っているのが二重リング構造をもつKaiCというタンパク質です。KaiCは一方のリングでATPを加水分解してシステム全体の速度を調節しながら、もう一方のリングで自己リン酸化と脱リン酸化を繰り返すことで24時間周期の振動を生み出しています。KaiCは反応に伴い様々な構造をとって刻々と時間を表現するはずですが、その詳細は分かっていません。本課題によって太古の昔からKaiCが多様な化学状態を内包するための柔軟な構造特性をもっていることが明らかになりつつあります。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
体内時計の仕組みを解明するためには、ナノサイズの構成部品である遺伝子やタンパク質の構造変化(空間情報)に基づき化学反応機構(空間情報から時間情報への変換)を明らかにして、そこから地球自転周期という時間情報を抽出する必要があります。したがって体内時計研究の進展そのものは、これまで空間情報の収集に関心の高かった構造生物学に時間方向への視点の転換を促すことに繋がります。放射光施設等を活用した本課題の一定の進捗により、少なくとも10億年以上前には成立した多様で特異なKaiC構造が明らかになりつつありますが、今後は他の手法を組み合わせて多角的に議論を深める必要があります。
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