研究課題/領域番号 |
16K14706
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上野 博史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10546592)
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研究協力者 |
村田 武士
野地 博行
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 分子モーター / 1分子計測 / ATPase / 1分子計測・操作 / イオン輸送 |
研究成果の概要 |
本研究ではナトリウム(Na+)を輸送基質とするEnterococcus hirae (E. hirae)のV-ATPase(VoV1)の大腸菌内発現系・精製系の最適化を行い、高活性なE. hirae VoV1を安定的に調製できる発現系・精製系の構築に成功した。このサンプルを用いたクライオ電子顕微鏡解析によりE. hirae VoV1全体の構造解析にも成功している。さらにこのVoV1を用いて、ATP駆動の回転の高時間分解能での検出にも成功した。E. hiraeのVoV1は外部のナトリウム濃度の低下に伴い回転速度が低下し、Voでのナトリウム結合を反映した多点の回転ステップを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
V-ATPaseはATP加水分解のエネルギーを用いてイオン(プロトンやナトリウム)を輸送する分子機械である。このV-ATPaseは膜小胞の酸性化や破骨細胞による骨吸収や癌細胞の転移にも関わることから創薬のターゲットとしても注目されている。そのためこの分子の回転イオン輸送を理解することは医学的にも重要であり、今回の研究がきっかけで明らかになったこのV-ATPaseの全体構造はこの分子をターゲットとした創薬につながると期待される。さらに今回明らかになったナトリウムイオンの結合を反映した回転挙動の検出は、回転によってイオン輸送を行う分子機械の理解につながり学術的にも重要な結果だと言える。
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