研究課題
挑戦的萌芽研究
細胞内には還元的に保たれるレドックス恒常性が機能している。しかし、呼吸活性や光合成活性の変化によって酸化的になったり、過剰に還元的になったりと変化する。我々は、緑藻クラミドモナスの細胞内が酸化的になると正の走光性、過剰に還元的になると負の走光性を示すことを指標にして、走光性と細胞内レドックス状態の関係が崩れているミュータントの単離に成功した。これらの株には光合成活性が低下するという異常があった。残念ながら期間中に原因遺伝子の同定にはいたらなかったが、葉緑体の中で起きている現象が細胞の運動方向を規定するという興味深い現象を見出すことができた。今後原因遺伝子の解明を急ぐ。
学術的には、葉緑体チラコイド膜で起きている現象(還元力伝達の遅滞)が、細胞全体が示す運動方向の異常につながるという新奇現象を見出したことが大きな意義である。この分子メカニズムを明らかにすることができれば、野外における有用藻類培養の効率化や、有害藻類の駆除などに応用できる可能性がある。
すべて 2019 2018 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 11件、 招待講演 9件) 図書 (1件) 備考 (3件)
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻: 115 号: 5
10.1073/pnas.1715489115
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 503 ページ: 2083-2088
Biochem J.
巻: 475 号: 6 ページ: 1091-1105
10.1042/bcj20170869
BIO-PROTOCOL
巻: 7 号: 12
10.21769/bioprotoc.2356
化学と生物
巻: 55 ページ: 366-368
130006742901
日本プランクトン学会報
巻: 64 ページ: 61-66
130007609952
PLoS One
巻: 11 号: 11 ページ: e0167148-e0167148
10.1371/journal.pone.0167148
Biochemistry and Biophysics Reports
巻: 7 ページ: 379-385
10.1016/j.bbrep.2016.07.016
巻: 印刷中 号: 19 ページ: 5266-5304
10.1073/pnas.1525538113
http://www.res.titech.ac.jp/~junkan/Hisabori_HomePage/index.html