研究課題
挑戦的萌芽研究
植物において、上下軸の形成は、受精卵の細胞内極性にまで還元されるが、受精卵を極性化させるしくみについては、これまでほとんど分かっていなかった。そんななか、本研究において、シロイヌナズナの受精卵の網羅的ライブイメージングを行った結果、植物細胞のほとんどを占めるオルガネラである液胞が、受精卵の非対称分裂の制御に必須であることを発見した(Kimata et. al., 2019; Ueda and Berger, 2018)。化合物スクリーニングの結果としても、受精卵の不等分裂を阻害する新規の薬剤を複数見出した(論文執筆中)。
研究代表者らは、世界で初めて、植物の受精卵が極性化する動態をリアルタイムで観察することに成功した。さらに、これまで単なる水袋だと考えられてきた液胞のダイナミックな動きが、受精卵の非対称分裂だけでなく、その後の形作りにも必須であることも突き止めた。ほとんどの植物において、受精卵は大きな液胞を持つことから、本研究が明らかにした仕組みは、植物に共通した普遍的な機構であると期待される。液胞は植物だけでなく、真菌類にまで保存された基本的な細胞内小器官のため、植物の形が複雑に進化してきた経緯の理解や、農業技術への応用など、さまざまな分野への展開が期待できる。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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