研究課題/領域番号 |
16K14806
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生態・環境
|
研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
沓掛 展之 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 講師 (20435647)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | タンチョウ / ダンス / 行動生態 / コミュニケーション / 信号 / 内分泌 |
研究成果の概要 |
タンチョウはさまざまな個体間コミュニケーションを行う。本研究では、野外調査によって、これらの信号の役割を解明した。最も重要な発見が、つがいが踊るダンスの適応的意義を解明したことである。まず、ダンスという双方向コミュニケーションを分析する統計的枠組みを整理した。この枠組みを14の行動要素からなるタンチョウのダンス時系列データに当てはめた。情報理論に基づく指標を算出し、つがいのこれまでの繁殖成功のデータとの関連を調べた。その結果、これまでに繁殖に成功していないつがいほど、複雑なダンスを踊ることが判明した。この知見は、約70年前に提唱され、未検証であったpair bond仮説と合致しない。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンチョウはさまざまな個体間コミュニケーションを行う。本研究では、北海道釧路地域における野外調査によって、これらの信号の役割を解明した。研究の最も重要な成果は、つがいが踊るダンスの適応的意義を解明したことである。個体識別されたつがいの観察により、これまでに繁殖していないペアのダンスは複雑であり、逆に、繁殖を積み重ねてきたペアは単純なダンスを踊っていたことが判明した。このことから、ペアダンスが繁殖に何らかの役割を果たしていることが示唆された。本成果は、約70年前に提唱され、未検証であったpair bond仮説の見直しが必要であることを示している。
|