研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究の目的は、生体内エネルギー状態に応じた遺伝子発現の制御機構を理解することである。具体的には摂食時に発現が上昇する遺伝子に関して、転写因子の活性制御だけでは説明のつかない遺伝子に着目し、エピゲノムレベルでの解析を行う。はじめにマイクロアレイを用いて網羅的な遺伝子発現解析を行い、解析対象にする遺伝子の選別を行った。選別したいくつかの遺伝子領域のヒストン修飾を検討したところ、遺伝子発現パターンとヒストンアセチル化レベルの相関が観察される領域とされない領域に分かれた。今後さらに、エピゲノムレベルでの制御を解析していく予定である。
エピゲノム制御は、発生やリプログラミング、がん等の疾患発症に関与することが明らかになりつつある。本研究は、劇的に遺伝子発現が変動することが知られている絶食・再摂食に着目し、生体のエネルギー状態の変動がおよぼす遺伝子発現の変化に、エピゲノム制御が関与するかどうかを明らかにすることを目指した。その結果、転写因子の活性化だけでは説明のつかない発現変動をうける遺伝子を見出した。これはエピゲノムレベルで生体内エネルギー制御を行っている可能性を示す結果であり、今後のさらなる解析により、制御の実体を明らかにすることで、生体のエネルギー代謝制御機構の理解につながることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件)
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