研究課題/領域番号 |
16K14956
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
木質科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60273489)
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研究分担者 |
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 教授 (10293911)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 引張あて材 / G層 / 師部繊維 / ペルオキシダーゼ / 木化 / キシラン / ペクチン / アラビノガラクタンプロテイン / リグニン / ヘミセルロース / 人為的木化 |
研究成果の概要 |
カジノキ引張あて材木部繊維と師部繊維のG層にペルオキシダーゼ活性があることを確認後、キシロオリゴ糖を吸着させた。その後コニフェリルアルコールと過酸化水素を加え、これらのG層の人為的木化を試みた。その結果、引張あて材のG層と師部繊維のG層の木化が確認され、キシロオリコ糖の添加により木化が促進されていることが示唆された。リグニンの結合様式に特異的なモノクローナル抗体で免疫蛍光標識した結果、予想に反して、人為的木化を行う前の師部繊維と引張あて材のG層において8-O-4'型構造に対する抗体の標識が見られ、G層中に特定の構造のリグニンまたはリグニン様物質が微量に存在することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非セルロース性多糖類が木化に及ぼす影響については、酢酸菌のシートやセルロースナノファイバーを用いた研究が存在するが、それらのセルロースミクロフィブリルの配向はランダムであり、一次壁の木化の模倣にはなるものの、セルロースミクロフィブリルが規則正しく配列する二次壁の状態とは異なる。本研究の独創的な点は、セルロースミクロフィブリルが配向するG層を用いて、キシロオリゴ糖が木化に及ぼす影響を見出したことである。予想に反して、リグニンがほとんど含まれないはずのG層に特定の構造のリグニンあるいはリグニン様物質の存在が示唆されたことは、これまでの通説とは異なる点であり、学術的に新規な知見と言える。
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