研究課題
挑戦的萌芽研究
野生水禽由来低病原性の鳥インフルエンザウイルス(IAV)が、TMPRSS2遺伝子欠損マウス(KOマウス)を用いて、TMPRSS2が必須の宿主因子であることを実証した。また、そのIAVが、KOマウス連続継代により、HAに2箇所のアミノ酸変異(HA開裂部位近傍の糖鎖欠失とHA開裂部位の塩基性アミノ酸へのアミノ酸置換)を伴い、KOマウス生体内で新たなプロテアーゼ利用能を獲得し、病原性を発現することを実証した。一方、野生水禽と家禽のTMPRSS2について、HA開裂に関わるプロテアーゼ機能に有意な差は認められなかった。
申請者は、高病原性IAV出現は、自然宿主である野生水禽と家禽化された鶏の生体内プロテアーゼ環境の違いがトリガーとなっているのではないかと推測した。しかし、野生水禽と家禽のTMPRSS2について、HA開裂に関わるプロテアーゼ機能に有意な差は認められなかった。一方、遺伝子欠損マウスを用いた生体内プロテアーゼ環境の違いから、野生水禽由来低病原性のIAVが、変異により、新たなプロテアーゼを利用出来ることを実証できたが、これまで報告されている全ての高病原性IAV認められる塩基性アミノ酸の挿入ではなかった。また、HA開裂部位近傍の糖鎖欠失を伴う変異だけでも、新たなプロテアーゼを利用出来ることを確認した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (5件)
獣医畜産新報
巻: 6月号
Sci Rep.
巻: 6 号: 1 ページ: 29430-29430
10.1038/srep29430
https://www.niid.go.jp/niid/ja/anual.html
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-vir3.html
https://researchmap.jp/read0091853/
https://www.niid.go.jp/niid/images/annual/h28/201603.pdf