研究課題/領域番号 |
16K15066
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
昆虫科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 晋治 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (40345179)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 昆虫 / 摂食行動 / 共食い / 脂質 / 共食い行動 / 異種同種認識 / 体表成分 / 分子生物学 |
研究成果の概要 |
本研究の実験対象であるフタホシコオロギの共食いでは、触角を介し被捕食者の体表の脂溶性成分を認識することが分かった。実際に、体表をヘキサンで拭うと被捕食者になる。体表の脂溶性成分のGCMS分析では、主に13種の炭化水素を同定した。化学構造から推察される生合成酵素群をRNA-sequencingにより探索し、その遺伝子群をRNAiにてノックダウンすると、同種異種の認識に変化が認められる。フタホシコオロギの「共食い」行動では、フタホシコオロギで固有の体表脂質成分の変化が捕食者と被捕食者の関係性に導かれることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フタホシコオロギをはじめとする直翅目昆虫のほとんどは、共食いする昆虫種である。特に、フタホシコオロギは攻撃性の強く、古くから攻撃行動のモデル昆虫種として研究対象となっていた。本研究の成果により、コオロギの共食い行動や攻撃性行動の生理学的な原因、および生化学的な原因因子が明らかになりつつある。昆虫で良く認められる種間、あるいは種内のセミオケミカルの研究だけでなく、社会性生物で見られる特徴的な脳神経系の解明につながると考えられる。また、全生物種の生体間コミュニケーションを形成する分子メカニズム研究の一端を担うと考えられる。
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