研究課題/領域番号 |
16K15196
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 同志社大学 (2017-2018) 国立研究開発法人理化学研究所 (2016) |
研究代表者 |
増田 明 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (30612121)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 海馬 / 遅延 / 時間割引 / 意思決定 / 衝動性 / 電気生理学 / NMDA受容体 / マウス / ラット / 時空間情報 / 神経科学 |
研究成果の概要 |
本研究は、報酬受け取りに遅延が生じるときの海馬CA1神経細胞の活動を電気生理学的に調べたものである。遅延時間を徐々に長くしたとき、CA1神経細胞は発火頻度を大きく変化させる性質を持っていることが分かった。さらに受け取る報酬量を変えると発火頻度の上昇や低下が生じたが、それは遅延時の発火パターンと関係があった。これは海馬では遅延と報酬価値の表現が一般に独立していないことを示唆する。またNMDA受容体を海馬において除去すると衝動性が抑えられ、遅延に耐性があったこと、またこの変異マウスの海馬において遅延反応性に異常が生じたことからNMDA受容体を介した遅延調整機構の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は海馬の時間的情報処理に関して新たな一面を明らかにしたといえる。さらに現在、報酬に対する情報処理や目的志向性行動に関する海馬の役割が注目されており、本研究はその概念の明確化の一助にもなると思われる。 また、研究成果の一部は衝動性を制御するのが困難な注意欠陥多動性症候群や痴呆性の衝動性行動、発達障害者の固執性行動、強迫性行動などの症状制御に新たな対処策を提案する一助になる可能性を持つと思われる。
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