研究課題
挑戦的萌芽研究
胃腺粘液は糖鎖の末端にα1,4-N-アセチルグルコサミン(αGlcNAc)を有するユニークなO-グリカンを含んでおり、αGlcNAcを欠損したA4gntノックアウト(KO)マウスはピロリ菌の感染なしに胃癌を発症する。本研究では、腫瘍抑制分子と考えられるαGlcNAcが結合する糖蛋白質の同定を試み、TFF2、gastrokine 2、galectin 2、MUC1を新たに同定した。また、A4gnt KOマウスでは癌化関連シグナルであるSTAT3、AKT、ERK1/2のリン酸化の亢進が確認された。
胃粘膜下層に存在する腺粘液細胞は糖鎖の末端にα1,4結合したN-アセチルグルコサミン(αGlcNAc)を有し、A4gnt KOマウスの胃粘膜では分化型胃癌が自然発症する。このことからαGlcNAcは発癌シグナルを抑止している可能性がある。本研究では、αGlcNAc結合糖蛋白質を同定し、癌化に関連するシグナル伝達分子の性状を明らかにした。今後、これらの知見を発展させることにより、新たな胃癌の予防、治療法の開発へ繋がることが期待できる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
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