研究課題/領域番号 |
16K15264
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2017-2018) 三重大学 (2016) |
研究代表者 |
岩永 史朗 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20314510)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マダニ / 進化 / 遺伝子水平伝播 / 昆虫 |
研究成果の概要 |
本研究ではマダニの唾液腺内、血管拡張物質(TAM)のゲノム配列を解析し、これが宿主動物から水平伝播したことを証明した。更にエクソンーイントロン構造解析の結果、TAMをコードするexon1とexon2は脊椎動物のアドレノメドュリン-5のexon2とexon4由来であることを示した。興味深いことに機能に無関係なexon3は完全に消失したのに対し、exon2とexon4の構造は全く変化することなく、完全に保存されていた。このことから機能に無関係なゲノムの領域は進化の過程で除去され、必要な部分は全く変化せずに残ることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常、生物において遺伝情報は親から子へと受け継がれていく(遺伝子垂直伝播)。この過程で遺伝子に様々な変異が加わり、生物は漸次的に進化していく。一方、時として個体間や異種生物間で遺伝情報が偶発的に受け渡されることがあり、これを遺伝子水平伝播と呼ぶ。これまで多細胞生物においては遺伝子水平伝播が発見されておらず、その進化への影響が不明であった。本研究では宿主動物と外部寄生体(マダニ)間で遺伝子水平伝播が起こったことを証明し、その結果、新たな属の出現につながった可能性を示唆した。この成果は進化における遺伝子水平伝播の新たな意義を示すと考える。
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