研究課題/領域番号 |
16K15323
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
田島 雅道 明海大学, 歯学部, 講師 (70130995)
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研究分担者 |
田草川 徹 明海大学, 歯学部, 講師 (40538443)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ビスホスホネート / 顎骨壊死 / 骨芽細胞障害 / リン酸トランスポーター / ミトコンドリア / オートファジー / キレート形成 / マイトファジー / 細胞内取り込み経路 / Pit-2 / リソソーム / リン酸水素イオン / BPの細胞内取込み / 病態解明 / 治療法 |
研究成果の概要 |
骨吸収抑制薬ビスホスホネート(BP)は、骨粗鬆症やがんの骨転移に積極的に用いられているが、一部の患者で口腔外科的処置後に予後不良の重篤な顎骨壊死(BRONJ)が発症している。医科と歯科の治療の谷間で苦悩する患者に対し、未だに有効な治療法が見出せていない。本研究はその病態解明と治療法の確立を目的としている。骨芽細胞に障害を与えない臨床濃度のBPが、リン酸水素イオン濃度の増加した環境下ではリン酸トランスポーターの誘導を引き起こし、容易に骨芽細胞内にBPを取り込んでしまい、BPが骨芽細胞のミトコンドリアの機能を強く障害することで細胞毒性を発現することが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床濃度のBPは破骨細胞内への選択的な取り込みによって、骨吸収を抑制し治療効果を発現し、低濃度のBPでは骨芽細胞に対しては障害性がほとんど認められない。しかし、リン酸水素イオン濃度の増加などで骨芽細胞のリン酸トランスポーターが誘導されると、これを介してBPの骨芽細胞内取り込みが亢進してしまい、BPがミトコンドリア機能障害を引き起こして、骨芽細胞障害が容易に発生する可能性が示された。そこで、この障害機序を阻害することにより、BRONJ発症の予防と治療に繋げられる可能性がある。BPの治療を継続しながら、基礎疾患の治療に悪影響を与えない局所的なアプローチによる治療法を考案したい。
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