研究課題
挑戦的萌芽研究
死亡直前期の患者が「今日亡くなる・今日は大丈夫である」ことの予測は重要である。本研究の目的は、1日以内の死亡を予測するモデルを開発・検証することである。国内23施設の緩和ケア病棟に入院したがん患者1896名の登録を行い、Palliative Performance Scale(PPS)≦20となった1396名の死亡直前期兆候を毎日取得した。再帰分割分析により予測モデルを開発し、交差検証を行った。1日以内の死亡率の最終モデルは、【尿量低下・下顎呼吸あり】(69%)、【尿量低下あり・下顎呼吸なし】(32%)、【尿量低下なし・意識低下あり】(15%)、【尿量低下・意識低下なし】(6%)だった。
患者の人生の最期の瞬間(死亡直前期)を精確に予測する尺度を開発したことは、家族が病室に付き添うかどうか、遠方の家族を呼ぶかどうか等の重要な意思決定に役立てられる上で臨床的意義が高い。多施設の緩和ケア専門家が終末期患者登録を完遂する効果的な研究体制を構築しえたことは、国際的にも知見の少ない終末期ケア領域において、今後本邦で持続可能な大規模研究の開発を行っていく上で意義深い。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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