研究課題/領域番号 |
16K15589
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川口 義弥 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (60359792)
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研究協力者 |
吉田 昌弘 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 細胞非自律的制御 / がん / キメラマウス / 膵癌 / 細胞非自律的腫瘍化 / ケモカイン / 細胞競合 / 癌 |
研究成果の概要 |
タモキシフェン誘導性に変異型Kras/P53を発現し、なおかつPdx1を欠失させるES細胞を、CAG-CAT-EGFPマウスから得たEGFP陽性細胞blastcystに注入してキメラマウスを作成し、タモキシフェンを投与したところ、EGFP陽性細胞が細胞非自律的に腫瘍化し、腫瘍全体の増大と繊維化組織形成を促進した。Pdx1 欠失によるミトコンドリアストレスによって惹起されたSASPが癌ニッチ形成のトリガーとして機能したと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの癌幹細胞理論は、発癌変異を起こした細胞の子孫細胞が癌腫の全てを構成するというものであった。ところが、今回の研究により、発癌変異を起こした細胞がミトコンドリアストレスをおこすことで周囲の正常細胞の異型化/増殖を刺激し、繊維化の進行も伴って全体としての腫瘍進行が著しく促進されることを示した。化学療法や放射線照射が、細胞ストレスを引き起こし得ることを鑑みると、これまで重視されてきた癌幹細胞を標的した治療戦略に加えて、ストレスを契機とした細胞非自律的腫瘍化をターゲットとする新たな治療戦略の構築が望まれる。
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