研究課題
若手研究(B)
観測、測定された大規模なデータを集約し、有効な情報を抽出するための統計的モデリング手法の開発に取り組んだ。経時測定データに滑らかな関数を当てはめて、関数化データ集合を分析対象にする方法は関数データ解析とよばれている。本研究では、関数データとして与えられた説明変数と目的変数との関係を表現する新たな関数回帰モデルと、関数データを判別するためのロジスティック回帰モデルの推定方法を提案した。特に、関数回帰モデルとしては、非線形な関係性を捉えるための2次回帰モデルを、関数ロジスティック回帰モデルに対しては、スパース推定を用いて決定境界を選択するための方法を提案した。
計測機器の発達やデータサイエンス分野の学問の発展に伴い、より多くのデータが測定、保有されるようになってきた。このようなデータの中には、時間の経過に伴い繰り返して計測される形式のデータも多く含まれる。関数データ解析は、このような形式のデータから解釈の容易な情報を抽出するための有効な手法である。本研究の開発により、説明変数、目的変数間の非線形な関係を捉え、かつその関係性を定量化するための方法を得ることができた。また、経時測定データの判別問題において、どの変数がどの群の判別に寄与しているかといった情報を、スパース推定を用いて浮かび上がらせることができた。
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