研究課題
若手研究(B)
近年,δ17Oの測定が可能となり,δ18Oとδ17Oから算出される17O-excessが新たな水循環のトレーサーとして注目され始めている.しかしながら,現在,アイスコアや積雪中の17O-excessに関する研究報告は非常に少ない.本研究では,アラスカやグリーンランドのアイスコア中のδ18O,δD,δ17Oの測定を行い,それぞれの地域で100年を超える長い時間スケールで17O-excessとd-excessの変動を示した.その結果から,アイスコア中の17O-excessとd-excessの相関関係の変化が北極振動などに伴う気候の変化に応答している可能性が示唆された.
地球の気候環境変動の将来予測の不確実性の低減化には,古環境指標から引き出される過去の環境変動情報の高精度化が重要な課題の一つとなる.本研究では、アイスコアから復元される過去の環境変動情報の高精度化を目的として,新たな水安定同位体比 δ17O および 17O-excess に着目しており,本研究で復元された精度の高い北極域の過去の環境変動情報は,社会的意義のある知見である.また,アイスコア中の δ17O および 17O-excessは未だ測定例が非常に少なく貴重なため,それらのデータの取得は学術的にも重要な意義がある.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
The Cryosphere
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120006024428