研究課題/領域番号 |
16K16196
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
藤通 有希 一般財団法人電力中央研究所, 原子力技術研究所, 主任研究員 (80638023)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 放射線 / 低線量率 / 幹細胞 / オルガノイド / 腸管 / 幹細胞競合 / 遺伝子組換え / Lgr5 / 増殖能 / 細胞・組織 / 細胞競合 / 線量率効果 |
研究成果の概要 |
放射線の生物影響は総線量が同じでも線量率が低くなると小さくなること(線量率効果)が知られており、その機構仮説として細胞競合が着目されている。低線量率照射を模擬するため、照射幹細胞と非照射幹細胞を混合してオルガノイド培養をしたところ、照射幹細胞は有意に増殖しにくいことが明らかになった。照射幹細胞を単独培養しても、オルガノイド形成効率とオルガノイド中の幹細胞数は非照射幹細胞を単独培養した場合と有意差はなかったため、放射線誘発細胞競合が生じていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線影響研究における古典的パラダイムである「線量率効果」について、最先端のオルガノイド形成法・セルソーティング技術を用いて、新しい概念である「細胞競合」という観点からアプローチした。本研究により、「放射線誘発幹細胞競合」の存在可能性が確認された。線量率効果を科学的根拠をもって説明することは、一般公衆に対する放射線影響を議論・説明するためにも重要である。また、線量率効果の存在を生物学的に示すことは、現状の放射線防護が十分安全側であることを示すこと、または、次のICRP勧告策定への議論のためのデータとなることから、放射線生物学だけでなく、放射線防護の観点からも重要であり、学際的な研究といえる。
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