研究課題/領域番号 |
16K16260
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
神津 博幸 筑波大学, 北アフリカ研究センター, 研究員 (40763660)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 胃消化 / 胃ぜん動運動 / テクスチャー / ゲル状食品 / 粒子間相互作用 / 胃内微細化 |
研究実績の概要 |
胃ぜん動運動(胃壁の収縮運動)による固形食品の胃内微細化現象は、胃における消化の重要な要素の一つである。固形食品のテクスチャー(硬さなどの食感)は、咀嚼時に限らず、胃での消化にも影響している可能性がある。本研究グループでは、胃ぜん動運動を生体外で再現した装置、ヒト胃消化シミュレーターを開発してきた。本課題ではヒト胃消化シミュレーターを用いて、固形食品のテクスチャーが胃内微細化に与える影響を定量解析することを目的とした。 テクスチャーのうち、破断応力(硬さを表す指標)および、破断歪率(変形しやすさを表す指標)の2種類の力学特性に着目した。力学特性の調節が容易なゲル状食品をモデル固形食品とした。ゲルを咀嚼後の食品粒子の最大サイズ(5 mm)にカットし、人工消化液と共にヒト胃消化シミュレーターで消化試験を行った。 試験の結果、破断歪率が小さい領域(約30%)ではゲルが顕著に微細化された。この領域では、破断応力が閾値(約40 kPa)以下で微細化が促進された。このことから、ぜん動運動によりゲル粒子かかる力がゲルの崩壊までの抵抗力(破断応力)を上回ると、顕著に微細化が進行することが示唆された。一方、破断歪率が大きい領域(約40%以上)のゲルでは、ほとんど微細化が起きず、破断応力の影響はほとんど見られなかった。ぜん動運動発生時にゲル粒子間にかかる圧力を、デモ機を含む圧力測定器(タクタイルセンサシステム)で測定した結果、変形しやすい破断歪率の大きいゲルでは、ぜん動運動によりゲルが圧縮されても、ゲルが大変形を起こすことで力が分散することにより、ゲルの崩壊が大きく抑制されることが示唆された。 本研究により得られた成果は、固形食品の胃消化を理解し、制御するための基礎的知見として有用である。 なお、本課題にて購入したタクタイルセンサシステムは、本課題終了後も筑波大学の共用機器として使用する。
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