研究課題/領域番号 |
16K16337
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
|
研究機関 | 広島修道大学 (2018) 東京理科大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
宮川 卓也 広島修道大学, 人間環境学部, 助教 (00772782)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 朝鮮民暦 / 改暦 / 民衆時間 / 帝国日本 / 帝国権力 / 論文完成 / テーゼ提示 / 資料収集 / 資料精査 / 口頭発表 / 伝統知と近代知 |
研究成果の概要 |
本研究は植民地朝鮮において発行された『朝鮮民暦』を中心に、大韓帝国期から朝鮮総督府期における朝鮮半島における改暦の政治社会的意味を探求し、「植民地朝鮮における新旧暦書をめぐる相克」(『帝国日本の科学思想史』(勁草書房)に所収)として発表した。その中で、1)帝国日本による改暦を通じた朝鮮の時間制度への介入は、総督府期ではなく統監府期の1909年にすでに強 まっていたこと、2)暦書に手を加えたことは単なる時制の変更にとどまらず、社会的慣習・習慣、伝統的宇宙観への介入を意味していたこと、3)強権的な生活改変を試みたにもかかわらず、人々の暮らしは簡単には変わらなかったことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植民地朝鮮における強制的な改暦事業の研究を通じて、本研究は、帝国日本による植民地への文化的介入は必ずしも政治的支配と時期が同一でないこと、二つ目に、暦書に対する介入を通じて朝鮮総督府は植民地の人々の伝統的宇宙観や長い時間をかけて積み上げられてきた人々の日常生活、社会的慣習・習慣への直接的な介入を試みたこと、そうして生活改変の強制にもかかわらず、人々の暮らしは簡単には変わらなかったことを示した。これらを通じて、植民地空間における支配者と被支配者の相克は、支配者側が強力な権力を背景としつつも、単純な図式では説明できない状況であったことを示すことができた。
|