本研究では、大日本帝国剣道形増補加註(1933年)の制定に向けた討議の様相が克明に記された近藤知善筆の討議記録の解読を通して、その内容を把握するとともに、討議の対象となった大日本帝国剣道形加註(1917年)の構成項目ごとに分析を加え、関係各氏21名のうちの誰が、どの箇所に、どのような意見を述べているのかを明らかにするものであった。分析対象とした範囲では合計131の意見が出されていた。加えて、解読した131の意見の内容と1933年の大日本帝国剣道形増補加註を比較した結果、合計40の意見がそれに反映、継承されていることが解明された。
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