研究課題/領域番号 |
16K16590
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用健康科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡邉 真通 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任助教 (80649244)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生活習慣病 / 腸内細菌 / セラミド / 脂肪肝 |
研究実績の概要 |
近年、腸内細菌叢の変化はメタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome: MS)の発症との関連から非常に注目を集めている。しかし、どの腸内細菌種がMS 発症に関わっているのか依然として議論があり、特定の腸内細菌を標的としたMS 発症の予防診断および治療法は未だ確立されていない。これまで高脂肪食摂取ラットの盲腸内容物からセラミド産生候補株を単離し、高脂肪食摂取における腸内優勢種であることを明らかにしている。セラミドは肥満者に蓄積し、MS 発症に関与する脂質の一つとして注目されているが、セラミド産生細菌とMS 発症・進行との関連性については知見がない。そこで、本研究では腸内細菌が産生する食品由来代謝産物であるセラミドが脂肪肝発症に与える影響を明らかにすることを目的とした。 本研究では高脂肪食中に含まれる脂質の影響を排除するため、通常食に0.05% コール酸(CA)を添加したCA添加食をラットに13週間投与し、肝臓中のトリグリセリド(TG)量およびコレステロール(Ch)量を測定した。また盲腸内容物を採取後、UPLC-ESI-MSによる胆汁酸分析および次世代シーケンサーによるメタ16S菌叢解析を行った。その結果、CA添加食により盲腸内容物中の胆汁酸濃度の上昇およびセラミド産生菌の増加が認められ、肝臓中のTG量およびCh量が有意に増加した。各ラットのセラミド産生菌の盲腸内存在比と肝臓中のTG量およびCh量との相関解析を行ったところ、それぞれR2=0.46および0.69の有意な正の相関が認められた(p < 0.01)。本菌は、in vitroにおいて他の腸内細菌よりも有意に高い胆汁酸耐性を示すことが明らかになっている。そのため、高脂肪食においても増大した胆汁酸による選択圧により、増加したセラミド産生菌が優勢菌となることで、肝臓中の脂質蓄積に影響を与える可能性が示唆された。
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