研究課題
若手研究(B)
インド・ウッタラーカンド地方のガーンディー主義者組織は、1990年代の低迷期を経て、立て直しが図られ、2010年代にはいくつかの新たな動きがみられた。ガーンディー主義の活動家が運営する学校や学生寮は、かつての教え子が指導者になったり、自身の子どもを同じ学校や学生寮に入れたりといった形で世代交代が重ねられ、地域に深く根付いてきている。また、シコクビエやアワ、ヒエ、豆類等を中心とした多様な在来種の保存・活用に取り組み、持続可能な農業を模索してきたガーンディー主義の活動家たちの農業のあり方が、注目を集めている。
本研究は、社会運動のインパクトについて、人びとの意識や暮らしというミクロなレベルから長期的スパンに立ち明らかにすることを目指したものである。そうした社会運動研究としての意義に加え、本研究ではガーンディー主義者たちの取り組みを追うことにより、インドの地域社会が現在直面する課題が浮き彫りになった。それは、丘陵部(農村部)と平坦部(都市部)の格差の拡大、「異常」気象と災害の頻発、農業担い手の減少など、日本の地方が直面する課題とも通底するものであった。僻地での教育や農業へのガーンディー主義者の長年の取り組みから学ぶべきことも多い。
すべて 2020 2019 2018 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 学会発表 (40件) (うち国際学会 11件、 招待講演 11件) 図書 (6件) 備考 (1件)
http://kindas.fieldcollections.org/index.php