研究課題/領域番号 |
16K16674
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
観光学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
奈良 雅史 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (10737000)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | エスニシティ / 民族観光 / イスラーム / 中国ムスリム / 回族 / 文化人類学 / イスラーム復興 / 民族間関係 / 中国 / エスニック・ツーリズム / 雲南省 |
研究成果の概要 |
本研究では、回族によるイスラーム復興運動の一環であった回族集住地域の景観のイスラーム化が政府による少数民族地域の経済発展や国民統合を目的とした観光開発と結びつき展開してきたプロセスを事例として、そこで創出される観光活動を媒介とした民族関係の再編のあり方を検討した。その結果として、民族観光はイスラーム復興運動を結びついていくなかで、ホストである回族にとっては非ムスリムへの宣教の機会の拡大、非ムスリムにとってはテロなどと結びつけられる回族集住地域への訪問として捉えられることで発展してきたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、観光活動を観光現場に限定し、ホストの文化をめぐるポリティクスとして理解する傾向が強かった既往研究に対し、観光活動を他の諸領域へと広がる実践と位置づけ、対立的な民族間関係を開かれたものへと変えていく契機となりうることを明らかにしたことで従来の枠組みを拡大しうる視座を提供した点にある。 社会的意義は、これまでエスニシティやジェンダーなど「差異のポリティクス」に焦点を当て、対立的図式で理解されがちであった民族・宗教問題のあり方そのものの再検討を促す点、観光開発が社会的安定や平和にも貢献しうるものであることを示し、単なる経済振興だけではない観光開発のあり方の可能性を提示した点にある。
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