研究課題/領域番号 |
16K16680
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 早稲田大学 (2017-2019) 弘前大学 (2016) |
研究代表者 |
稲村 一隆 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (40726965)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | アリストテレス / 方法論 / 弁証術 / 定義 / 互恵性 / 分類 / 社会規範 / 価値 / 反照的均衡 / 主権 / アナクロニズム / ソクラテス / プラトン / J. S. ミル / 分割法 / 思想史 / 倫理学 / 政治哲学 / ギリシア哲学 |
研究成果の概要 |
本研究はアリストテレスの倫理学の方法論を弁証術の側面から検討した。古代ギリシアで弁証術とは二人の人間が対話を交わす作法のことであり、アリストテレスは弁証術を、人々の考え方を批判的に検証し学問の基礎を打ち立てる手法として理解した。とはいえ、弁証術には多様な形態と利用方法があるので、本研究はその不明な点を分析し、さらに知識の基盤としてどれほど有効な道具なのかを検証した。成果として、アリストテレスはプラトンの分割法に影響を受けていること、その分割法の発想は生物の分類だけでなく、政治体制の分類にも使われていること、弁証術の基盤には視点の転換という意味での互恵性が使われていることなどが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は社会規範を探究する方法論の発展に寄与することである。事実を調査する科学的方法とは異なり、社会規範や価値観は人々の心の中にあり、感情的な要素も入っているので、対話を交わすのは難しい。古代ギリシアのアリストテレスはこの問題に弁証術という対話の作法を通して取り組んだ。本研究では、その利用方法を分析することで、例えば幸福や福利といった価値観は、人々の一般的な見解を題材として受け取りながら、その内容を明確化したり、一貫性を問題にしたり、概念を分析したりして、探究されることを明らかにした。ただしこうした探究の前提には視点の転換や論理性などが要求されていることも明らかにした。
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