研究課題/領域番号 |
16K16687
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
小口 峰樹 玉川大学, 脳科学研究所, 特任助教 (30597258)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 非言語的推論 / 自然化 / モーガンの公準 / ミニマリスト・アプローチ / 推論の神経基盤 / 心の哲学 / 神経哲学 / 動物認知の哲学 / 対称性推論 / カテゴリー / 前頭前野機能 / 深層学習 / 推論 / 哲学 / 認知科学 / 脳、神経 |
研究成果の概要 |
本研究では、推論の自然化へ向けた議論構築を行うために、幼児や動物における「言語なしの推論」を題材として哲学的な分析を行った。第一に、比較認知における暗黙の前提となっているモーガンの公準を批判的に検討し、幼児や動物への推論帰属に対する懐疑は弱体化可能であるということを示した。第二に、推論に関する「ミニマリスト・アプローチ」に基づき、言語なしの推論が否定関係や因果関係の把握とカテゴリー化能力によって支えられていることを明らかにした。第三に、これらの基礎能力を支えている神経基盤についての考察を行い、加えて、推論の神経ネットワーク解明のためのアプローチに関する提案を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、言語的推論の基礎にあると考えられる非言語的な推論を考察対象とし、推論能力における多層性を明らかにすることで、言語を用いた論証をモデルとして捉えられてきたこれまでの推論理解に見直しを迫るものである。近年、高等教育において批判的思考教育が重視されるなど、推論能力の涵養がひとつの重要な教育課題となっている。こうしたなかで、本研究の成果は、論証構成法の教育などを中心とした従来の支配的な枠組みを再考する契機となりうる。
|