研究課題
若手研究(B)
近年、投資家に対して「責任ある投資」が、経営者にはそのための経営が求められている。本研究は、経営者や投資家が直面する投資に内在する倫理的問題を突き止め、その問題を解決するため、日本版倫理コードを提案することを目的とした。本研究では、投資に内在する倫理的問題として、(1)倫理学で議論されてきた「道徳と自己利益の対立」という問題、(2)責任投資やESG投資の倫理的正当化が難しいという問題、(3)職場環境や健康経営をどう評価するかという問題、を明らかにした。そのうえで、倫理コードの候補として、功利主義的原則、カント主義的原則、徳倫理学的原則を比較し、検討した。
本研究によって、(1)「投資倫理」という新しい研究分野が開拓されることで、「応用倫理学の交叉点」のなかで見過ごされてきた投資の側面が明らかになった。また、(2)現在「責任ある投資」は政府主導ですすめられている。本研究によって、責任ある投資の普及・促進につながることも期待される。さらに、(3)投資の問題は「ただ金を使うのではなく、善く使うとはどのようなことか」という点で哲学の根本問題の一つのあり方である。本研究は、この根本問題に対する解明に貢献した。
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Contemporary and Applied Philosophy
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CHUL HAK SA SANG - Journal of Philosophical Ideas
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