研究課題/領域番号 |
16K16692
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 日本大学 (2018) 関西大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
松元 雅和 日本大学, 法学部, 准教授 (00528929)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 戦争倫理学 / 非対称戦争 / 戦争のジレンマ / 倫理学 / 政治哲学 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、非対称戦争を「戦争のジレンマ」状況にあるものとして位置づけ、非戦闘員保護(区別)原理の違反の是非をめぐり、そこにおいて要請される戦争倫理を解明することである。その成果として、1)非対称戦争における戦争規則違反の要因に関して、どこまで意識的/構造的に特定されているかを文献的に精査した。2)弱者の戦争規則違反のありうる免罪理由とその是非を、「勝ち目への権利」論と「最高度緊急事態」論に照らして分析・評価した。3)研究の総括として、非対称戦争の構造的側面を注視してもなお、必要性の観念から非戦闘員保護(区別)原理に根本的な変更を加える決定的な理由は見出せないとの結論を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は学内外に対して以下のような意義をもつと考える。1)学術的意義として、非対称戦争が構造的に抱えている「戦争のジレンマ」状況については、国内外でもまだほとんど体系的には解明されていないなか、伝統的に国家間戦争を前提としてきた戦争倫理学の専門知をアップデートし、今世紀の紛争に則した戦争倫理を発展させることができた。2)社会的意義として、今後の日本では、非対称戦争として特定される紛争地域における自衛隊の活動が現実的になる可能性があり、従来の戦争倫理を今日の新たな時代状況に則して修正・適用することで、喫緊の政策課題に対して応答する、応用研究としての戦争倫理学の基盤を確立することができた。
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