研究課題/領域番号 |
16K16709
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
藤岡 俊博 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (90704867)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 利益 / 没利益 / 贈与 / レヴィナス / デリダ / モース |
研究成果の概要 |
本研究は、西洋思想史における「利益」およびその対抗概念である「没利益」をめぐる議論の展開を調査したものである。本研究は、「没利益」の概念をマルセル・モースが有名な論考「贈与論」で分析した「贈与」のトピックと関連づけるとともに、この主題がエマニュエル・レヴィナスやジャック・デリダといった現代フランス哲学者によってどのように扱われたのかを示した。本研究は、デリダの議論に対しておもに社会学や人類学から提起されてきた反論に哲学の側から応答することで、モースの「贈与論」をより広い思想史的文脈のもとで捉え直す視野が得られたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで「利益」の概念をめぐる思想史的研究はさまざまな角度から行われてきたが、それに比べて、価値中立的な美的判断という美学的用法を除くと、「没利益」の概念をめぐる包括的な研究はほとんど行われてこなかった。本研究は、この概念を軸に、マルセル・モースの贈与論とエマニュエル・レヴィナスの思想の関連を調査することで、レヴィナスの思想の幅広い哲学的意義を明らかにするとともに、先行研究のなかで通説化されてきたモース受容の解釈の新たな側面を抽出することができた。
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