本研究はハンガリー出身でのちにヴィーン、ベルリン、モスクワで活躍した劇作家・映画評論家のバラージュ・ベーラ(1884-1949)に関する研究である。2年間の研究期間で、青年期のブダペシュト時代から亡命後のヴィーン時代までに焦点をあて、彼の評論・実践双方を含む舞台・映画活動と、ドイツ語とハンガリー語による著作間の影響関係について分析した。特にバラージュの亡命前後である第1次世界大戦末期の活動についての研究が進展し、のちに映画理論に繋がる演劇論と人形劇や舞踊といった創作作品を考察した論文等の成果を残すことができた。
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