研究課題/領域番号 |
16K16737
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
島津 美子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10523756)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | コチニール / 赤色染料 / 錦絵の赤 / カーマインレーキ / 錦絵 / 彩色材料 / 明治 |
研究成果の概要 |
染料は、染色以外に、絵画、錦絵版画、彫刻彩色にも用いられていた。中でも、明治初期に錦絵に多用される赤色色材は、これまで合成染料とされることが多かったが、天然染料コチニールから作られたカーマインレーキであったことを明らかにした。一方で、コチニール染めの毛織物などは遅くとも江戸後期には輸入され、国内市場に出回っていた。 いずれも国内での生産製造はなされておらず、製品として輸入されていたと考えられる。また、コチニールは、欧州において、同時期に、染色、色材の両方に利用されていたにも関わらず、日本国内への輸入は、100年以上の開きがあったと推察される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
絵画や錦絵版画などに染料が用いられていることは、資料観察や技法書などの記述により以前から知られていた。今回、使われた染料を実資料の分析によって同定することで、染料利用の実態を一部明らかにした。 染料分析では、色素成分や媒染剤などを比較することで染料を同定する。本研究で着目したコチニールでは、染色の場合と、色材として加工される場合で、必ずしも同じ媒染剤を使っているとは限らないことが明らかとなった。資料の属性を考慮した染料の同定基準を再検討する必要がある。
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