研究課題/領域番号 |
16K16761
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
和田 崇 三重大学, 教育学部, 准教授 (10759624)
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研究協力者 |
ダスティク=バラン アン
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 比較文学 / 翻訳文学 / 国際交流 / プロレタリア文化 / マルクス主義芸術 / 社会主義芸術 / ドイツにおける日本文学受容 / 西洋圏における日本文学受容 / 日本近代文学 / プロレタリア文学 / 日本文学の海外流通 / ジャポニスム / ヤパノロギー / ドイツ語訳 / 転向 / 生産文学 / 大衆化 / ドイツ語文献 |
研究成果の概要 |
本研究では、左翼系メディアを中心とした戦前期ドイツの15誌(紙)を調査し、日本プロレタリア文学関連記事を抽出して目録を作成した。本研究で得られた資料により、『太陽のない街』と『一九二八年三月十五日』という2冊の図書が現地で受容された状況や、ともにナチスの焚書にともなって禁止図書に指定された事実を確認し、さらに、左翼系メディアを通じた日本とドイツ間の文化交流の一端を示すことができた。また、戦前期にドイツ語に翻訳された日本のプロレタリア作品の中には、無名詩人の小林園夫の詩が複数あることや、政治的背景により翻訳される可能性の低かった葉山嘉樹の「セメント樽の中の手紙」も含まれていることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義として、まず、書誌学的成果が挙げられる。日本近代文学のドイツ語訳については、(Stalph他2009)で網羅的に整理されているものの、雑誌や新聞の掲載分については補足すべきものが多い。本研究によって、新たに詩4編と小説10編を発掘した。また、これまでのプロレタリア文学研究においては、日本の運動体が海外理論をどのように受容したのかという一方向的な視点で考察されることが多かったが、本研究では、国家間の双方向性をともなった視点を提供することができた。社会的意義としては、民間有志の国際交流により、あらゆる芸術作品が異国へと越境する可能性を見出せたことが挙げられる。
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