研究課題/領域番号 |
16K16787
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
長谷川 雅世 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (30423867)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | チャールズ・ディケンズ / ジェンダー / 男性らしさ / 大英帝国周縁部 / 『荒涼館』 / ディケンズ / 帝国周縁部 / 慈善活動 / 女性の影響力 / イデオロギー / 大英帝国 / 後期小説 |
研究成果の概要 |
本研究の主目的はCharles Dickensの男性観を明らかにすることで、主として以下の3つがわかった。1つ目は、Dickensにとっての男性らしさとはそれ自体で存在するものではなく、女性らしさとの相違や対比によって存在しうるものであったこと。2つ目は、イギリス国内を舞台にして、男性主人公が男性らしさを形成したり獲得したりする物語を書くことに困難を感じていたこと。3つ目は、Dickensが男性主人公たちの男性としての成長物語をイギリス国内を舞台にして描くことに困難を感じていた根源は、Dickensが基本的には、ヴィクトリア朝の矛盾だらけのジェンダー・イデオロギーの信奉者であったことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の主たる学術的意義としては、以下の3つが挙げられる。1つ目は、従来のDickens研究ではあまり注目を集めることのなかった男性登場人物にも焦点をあてることで、Dickensの男性観に新たな読みの可能性と解釈を与えたこと。2つ目は、従来の批評ではDickensにとって帝国周縁部は円滑に進めるための舞台装置でしかないと単純に解されてきたが、その使用には彼の女性に対する恐怖心と彼のジェンダー観の矛盾が集約されていることを明らかにしたこと。3つ目は、Dickensの後期小説分析を通して、当時のジェンダー・イデオロギーの曖昧さや矛盾を指摘することで、ヴィクトリア朝のジェンダー研究にも貢献した。
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