研究課題/領域番号 |
16K16805
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
中村 翠 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (00706301)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 自然主義文学 / フランス文学 / アダプテーション / 予告 / 布石 / ゾラ / 翻案 / 仏文学 / ミルボー |
研究成果の概要 |
本課題の目的は、文学作品がアダプテーション(翻案)される際、初読の際に鑑賞者の興味をかきたてる「予告」および再読を促す「布石」という語りの手法が、どのように使い分けられているのかを明らかにすることである。とりわけ、十九世紀後半の自然主義文学は、演劇や映画など、他ジャンルへのアダプテーションが活発に行われる源となったため、それらの翻案を主要な題材として研究をおこなった。原作者や、同時代および後世の翻案家の、草稿・書簡・インタビュー等を調査することにより、時代やジャンルの要請にしたがってこの二つの手法の用いられ方が変容していることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の文学作品を繰り返し創りなおし、受容しようとするアダプテーションの欲求は、まさに初読(初見)時のサスペンスをふたたび異なるジャンルで作り直そうとする試みであり、再読(再見)によって生じる重層的な作品価値を、異なる媒体で見出す行為でもある。本研究は、アダプテーションを初読(初見)・再読(再見)に狙いをさだめた語りの戦略と結びつけて具体的な作品を例に考察する点で、物語の再創造・再受容のメカニズムを一端なりとも解明することができたといえる。
|