研究課題/領域番号 |
16K16834
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 京都大学 (2017-2018) 東洋大学 (2016) |
研究代表者 |
守田 貴弘 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (00588238)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 移動表現 / ダイクシス / ジェスチャー / 日本語 / フランス語 / 話者空間の画定 / 意味論 / 相対性仮説 / 意味の進化 / 言語相対性仮説 / 日仏対照 / 発話実験 / 言語学 / 空間ダイクシス / 主観性 / 類型論 / 事態把握 |
研究成果の概要 |
「行く」「来る」のような話し手の視点の表現は日本語で頻度が高く,フランス語では低いという傾向がある.本研究ではその要因が言語構造による制約なのか認識的なものなのかを明らかにするため,ジェスチャーも分析対象とした発話実験を行った.その結果,フランス語話者は言語では視点を表現しないのに対し,ジェスチャーでは表現することが明らかとなったため,言語表現の頻度は構造的な制約だと考えられる. 他方,話し手に中立的な移動方向でも日本語話者が視点を表現することがあるのに対し,フランス語話者はそのような視点をいかなる手段でも表現しない.話し手領域の決定に言語が関係している可能性があることを示す結果となった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
言語が思考を形成する,思考は言語を使ってなされるという見方は広く受け入れられているが,その思考とはどのようなものであり,言語と思考がどこまで不可分のものなのかという問題については十分に明らかになっているわけではない.本研究では,空間移動に関する情報を知覚的に把握するときに,話し手が知覚した内容といかなる関係を構築するのかという観点に絞って思考内容を分析することにより,「言語が思考を決定する」といった極端な主張を退けることが可能となった.他方では,話し手による自己の領域の範囲が言語によって異なる可能性をあることを示すこととなった.
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