研究課題/領域番号 |
16K16836
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
言語学
|
研究機関 | 二松學舍大學 |
研究代表者 |
戸内 俊介 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (70713048)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 上古中国語 / 否定詞 / 甲骨文 / 金文 / 出土資料 / 不/弗 / 毋/勿/無 / 非対格動詞(unaccusative verb) / 論語 / 漢簡 / 非対格動詞 / 毋/勿 / 限界性(telic) / モダリティ(modality) / 不 / 弗 / perfect / 殷 |
研究成果の概要 |
本研究では上古中国語の否定詞を音節頭子音により*p-type否定詞(不、弗)と*m-type否定詞(毋、勿、無)に分けた上で、殷代甲骨文、西周金文、戦国時代から前漢までの竹簡などの出土資料と伝世文献を併用しつつ、主に*p-typeの「弗」と「不」の機能的対立が、殷代から前漢までどのように変化したのかについて検討を行なった。 さらに本研究では秦漢代に「不」が「弗」の発音を伴うようになる過程について考察を試み、また新出の前漢の竹簡と木牘を調査し、「毋」字が動詞「無」を表記するようになるという現象についても解釈を試みた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて、殷代と春秋戦国時代の否定詞体系には大きな違いがあること、さらに言語の発展という観点からみれば、春秋戦国時代の体系が甲骨文の体系に先行する可能性があることがわかってきたが、このことは両言語は単線的な関係(同一言語の祖先と子孫の関係)にあるのではなく、春秋戦国時代の言語の祖先と殷代言語は異なる方言関係にあるということを示唆する。両言語の方言関係や伝播過程をより具体的に実証するには、今後は西周金文へ検討が欠かせないことがわかった。 本研究の成果は上古中国語の通時的研究や方言研究のみならず、さらに射程を広げ、シナ=チベット諸語の歴史的或いは言語類型地理的研究にも貢献しうるものである。
|