研究成果の概要 |
古英語から中英語にかけての独立分詞構文の通時的変化をChomsky(2013)で提案されているラベル付けアルゴリズムの観点から説明した。古英語の独立分詞構文では主語に与格が付与され、現在分詞も主語と性・数・格の点で一致を示していた。本研究では古英語の独立分詞構文は空のPを主要部とするPP構造であると提案し、与格はPによって主語と現在分詞に付与されていたと主張した。またPの補部は現在分詞がφ素性を有していたため、主語との併合の結果<φ, φ>とラベル付けられると分析した。中英語に入り、現在分詞がφ素性を失ったためPの補部が<φ,φ>とラベル付けられなくり、独立分詞構文は衰退したと分析した。
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