研究課題/領域番号 |
16K16921
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | お茶の水女子大学 (2018-2019) 東京大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
阿部 尚史 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (20589626)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ムスリム女性 / イスラーム法廷 / 法廷文書 / 相続 / イラン / イスラーム法文書 / 家産 / イラン在地社会 / ムスリム家族 / 近代女性認識 / 家族 / 婚姻 / 離婚 / 中東家族史 / 19世紀 / 女性史 / 西アジア史 / 女性 / イスラーム法 |
研究成果の概要 |
本研究では、西アジアを中心に歴史的なムスリム社会の家族構造における女性の役割を、特に現地語の様々な史料から読み取り、近代化との関係も含めて論じることを目的とした。本研究では特に世界的にも研究が少ないイランの女性に着目し、法的な権利主張の背景を考察した。本研究で分析した範囲ではあるが、女性は中・長期的家族関係を視野に入れて、権利の請求・留保を行っており、従来の中東家族史研究で見られた女性と男性親族という対立関係から捉えるのは必ずしも十分ではないことが明らかになった。こうした成果の一部として、『イスラーム法と家産』(中央公論新社)という形で2020年2月に刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、イスラーム法と女性の関係を具体的な事例から読み解いた。特にヴェールの共生着用などで女性差別の典型と見做されているイランの事例を取り上げ、女性たちの主体的な財産行為と男性親族との多様な交渉を描くことで、表面的な女性抑圧像とは違った側面を描き出すことができたと考える。また単著として『イスラーム法と家産』を刊行することで、研究成果の一部を日本社会にも還元することができた。このほか、『イスラーム・ジェンダー・スタディーズ1 結婚と離婚』など、より手に取りやすい本にも寄稿し、一般社会にも広く研究成果を公開することに努めた。
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