研究課題/領域番号 |
16K16928
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
渡邊 祥子 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター中東研究グループ, 研究員 (20720238)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルジェリア / イスラーム改革主義 / ナショナリズム / 東洋史 |
研究成果の概要 |
本研究は、イスラーム改革主義運動を限られた知識人サークルの思想運動として捉えてきた先行研究に対して、その大衆を巻き込んだ社会運動としての側面に注目し、植民地期のアルジェリアを事例に、イスラーム改革主義運動の社会的基盤、ナショナリズム運動との関係を分析した。 その結果、イスラーム改革主義運動と産業化の直接の関係は認められなかったが、それが推進したアラビア語教育がフランス語の会話ないし識字能力のある層に受け入れられ、バイリンガル増加を後押ししたことを明らかにした。ナショナリズムとの関係は必ずしも親和的ではなく、二つは思想と組織において性格の異なる社会運動として捉えるべきことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の研究では、イスラーム改革主義は産業社会の産物であり、さらにナショナリズムと親和性がある(プロト=ナショナリズムである)とみなされてきた。これに対し本研究は、統計分析と質的な分析を組み合わせたアプローチによって、フランス学校の受け入れとイスラーム改革主義の受け入れは矛盾しなかったこと、ナショナリズムとイスラーム改革主義の間に緊張関係があったことを明らかにし、新しい知見をもたらすことができた。 3年間の研究で、欧文論文3本、日本語論文(ブックチャプター)1本、概説1本、国際会議での報告3本を実現し、日本や英語圏では研究の少ないアルジェリアやマグリブの事例研究に貢献することができた。
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