研究課題/領域番号 |
16K16930
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 東海大学 (2018-2019) 東北大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
大谷 哲 東海大学, 文学部, 講師 (50637246)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 殉教者 / キリスト教 / ヨーロッパ / 古代末期 / 初期中世 / 初期キリスト教 / イエスの親族 / 殉教 / 受容史 / 古代ローマ / ローマ帝国 / エウセビオス / トゥールのグレゴリウス / 歴史叙述 / 告白者 / ローマ |
研究成果の概要 |
本研究はローマ帝政初期のキリスト教会において形成された「殉教」の基準に存在した「法廷におけるキリスト教信仰の保持による有罪判決」という客観的規定が、古代末期から初期中世にかけて変質した過程を分析した。キリスト教徒の社会的地位の不安定化が、殉教者称号付与の基準に影響を与えた状況を描出し、かかる政治的背景から生まれた要請が、同時代のみならず、古代の殉教者にもかかわる殉教概念の変遷を引き起こし、その後の中世期から現代に至る西欧キリスト教社会のアイデンティティ形成に与えた影響を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、古代末期から初期中世のヨーロッパを分析の舞台とし、古代ローマ帝国期に初期キリスト教会内で形成された「殉教者」という概念が、その後の社会的情勢のなかで、不安定な状況におかれたキリスト教徒たちによって、個々人、個別の共同体の政治的な要請に応じて変遷する過程を分析した。自らを迫害される初期教会の殉教者と重ね合わせる自己アイデンティティ理解、歴史理解は、中世以降のヨーロッパ文化の形成に重要な影響を与えたと考えられる。本研究によって、現代社会にもつづくヨーロッパ文化の思考様式の一端の形成過程が分析されたことは今日的にも意義がある。
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