研究課題/領域番号 |
16K16947
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | (財)古代オリエント博物館 |
研究代表者 |
下釜 和也 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (70580116)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 前期青銅器時代 / 中期青銅器時代 / シリア / アナトリア / 土器分析 / 過渡期 / 土器 / 考古学 / メソポタミア / 青銅器時代 |
研究成果の概要 |
本研究では、北メソポタミア青銅器時代過渡期(紀元前2300~前1600年頃)における物質文化の様相と技術・文化関係の解明を試みた。出土土器群を技術論的に検証した結果、過渡期を挟む前後の時代の土器群には顕著な断絶がみられず、型式・様式的に連続的な展開を示すことを明らかにした。同時に土器文化からみた地域間交流に変化が生じていたことも判明した。以上の成果は、古代都市文化の衰退と社会変容は従来提唱されていたような劇的な断絶ではなく、物質文化上は緩やかな連続的変化を見せつつも、地域間関係に質的な転換をみせていたことを示す。また、その転換の実年代に地域差がある点は、古代メソポタミア社会の動態を物語る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古代文明史は、農耕牧畜の開始から文明の発生とその展開まで単純な発展史観のもとで理解されることが多い。しかし、本研究では古代文明に複数の過渡的変動期があったこと、その一つには顕著な断絶ではないが集団間関係に質的な転換があったことを、出土資料を基に考古学的に検証した。現代文明の存立基盤と持続可能性が問われるなか、古代文明の物質文化を検証することで自らを見直す一視点を提供したことに学術的意義がある。
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