研究課題/領域番号 |
16K16950
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 公益財団法人元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
田中 由理 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (70611614)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 平安期緑釉陶器 / 色調計測 / 反射スペクトル / 青磁 / コバルト釉 / 二次微分スペクトル / 緑釉瓦 / 緑釉陶器 / 考古学 / 施釉陶器 / 分校反射率 / 復元的実験 / 分光反射率 |
研究成果の概要 |
本研究は、筆者がこれまで行ってきた平安期緑釉陶器の釉調の色彩学的検討について、継続して研究を展開するものであるが、より深く施釉陶器全般の釉薬の色調のメカニズムや成分を明らかにするとともに、色調分析の方法論を確立することを目的とするものである。 平安期緑釉陶器の各産地の資料の比較では、濃緑色や淡緑色などの違いを反射スペクトルからもとらえられるようになり、それぞれの中の色の細分化についても、ある程度の見通しを得たので、これを産地同定に応用できる可能性がある。 また現代の陶磁器では、銅釉でない鉄釉・コバルト釉などの釉も対象として分析した結果、成分と反射スペクトルの相関関係を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筆者は平安期の緑釉陶器の色調計測に関して、これまで客観性を目指して反射スペクトルの比較を試みてきたものの、元データのままでは産地や時期の違いを詳細に論じることが難しく、方法論を整備することが必要だと考えた。そこで反射スペクトルを二次微分した二次微分スペクトルを用いることで、より詳細な比較を可能にすることができた。 また対象を緑釉陶器の銅釉から広げて、鉄の青磁釉やコバルトの染付などにも広げて比較することで、二次微分スペクトルの傾向が成分の違いもある程度示すことが分かり、今後施釉陶器以外のガラス製品など、他の材質のものにも応用できる可能性があるため、いろいろな考古学的検討に生かせると考えられる。
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