研究課題/領域番号 |
16K16954
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 佛教大学 (2017-2018) 京都大学 (2016) |
研究代表者 |
網島 聖 佛教大学, 歴史学部, 准教授 (70760130)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 地域形成 / 産業化 / ネットワーク / 同業者町 / 医薬品産業 / 電信 / 日本橋本町 / 九州 / 制度 / 組織 / 大分 / マンチェスター / 材木業 / 産業集積 / 近代 |
研究成果の概要 |
近代期に起こった地域の産業化を理解するためには、個別のアクターと地域の構造的変化の結びつきを具体的に検討する必要がある。本研究では電信による全国的な医薬品業者の結びつきを検証し、そのネットワーク上で大阪や東京の医薬品産業同業者町が果たした役割を検討した。その結果、当該期の日本に存在した大都市の同業者町をノードとするネットワークが存在し、地域の統合を進めるとともに、各地の業者に全国市場へ展開する可能性も提供したことが判明した。また、ナショナルスケールの地域統合には、同一の産業であっても複数の異なる論理で働くネットワークが同時に働いていた可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は遅れて資本主義化を進めた日本に特有の産業化の経緯を、問屋を中心とした同業者の地域的な制度と関係性から検討しようとするものである。その学術的意義は、日本の歴史的な経験を一国史の枠内に止めることなく、イギリスの歴史地理学、経済史を中心に議論が進められてきた国際的な先行研究の成果に応答し、その知見を相対化する点にある。また、後発の資本主義化国の開発に関わる本研究の成果は、現代における発展途上国の開発に関わる問題や、国際経済の中での産業集積の役割に関する議論に再検討をうながすものとなる。したがって、現在の社会、経済に関わる諸問題の解決に資するという重要な社会的意義を有する。
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