研究課題/領域番号 |
16K16963
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高橋 絵里香 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90706912)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 家族介護 / フィンランド / 親族研究 / 個人化 / 新自由主義 / 文化人類学 |
研究成果の概要 |
報告者は、フィンランドの高齢者を支える制度外親族介護実践について、3年間で計150日程度の実地調査を行ってきた。これらの調査から、介護関係に影響を与える様々な要因が浮かび上がってきた。具体的には、これまでのライフコース、住宅の所有状況、子世代における離婚・再婚の増加、公的な高齢者ケア制度とその民営化等が挙げられる。これらの要因は、ポスト個人化としてまとめることができるような家族形態の変化とも深く結びついており、制度外介護という実践として結実していると考えられる。 こうした調査結果について国際学会での発表を計6回行い、プロシーディングスに掲載された他、論集への分担執筆においても調査結果を記述した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
報告者の研究は、いわゆる「北欧型」と呼ばれる大きな福祉国家における家族のケア役割に着目することで、国家が福祉を担う状況において家族の役割はどのように変遷していくのかを問うものである。家族介護は日本においても日常的で身近な「問題」である一方で、行政や民間のケアサービスの利用は年々増加している。こうした状況において、公私の役割分担についての先例を知ることは意義があるだろう。また、日本においては娘や妻が介護役割を中心的に担ってきたのに対して、報告者の事例は、家父長制度やジェンダー規範に縛られない、より流動的な親族・家族の介護の在り様を模索する契機となるものである。
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