研究課題/領域番号 |
16K16970
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
|
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
松尾 瑞穂 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 准教授 (80583608)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | サブスタンス / 第三者が関与する生殖 / 遺伝子 / 生殖補助医療 / インド / 配偶子 / 胚 / 遺伝 / relatedness / 民俗生殖論 / 身体 / 人種 / 血縁 / 生殖医療 / カースト / アーリア人 / 共生成 / つながり |
研究成果の概要 |
本研究は、現代インド社会において遺伝子というサブスタンスとそれにまつわる諸実践が、いかに個と集団の関係性に変容をもたらしているのかを検討することで、科学的知識と実践が社会のなかで「共生成(co -production)」される動態の一端を明らかにした。具体的には、第三者が関与する生殖補助医療に関する調査から、配偶子や胚の提供と供与にまつわる言説と実践について分析し、そこからインドにおける社会集団の差異―特に近年の新たな動向として、カーストではなく宗教的差異(ヒンドゥーとムスリム)―が「本質化」される傾向にあるという新しい動きを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子をめぐる言説は、親子関係のみならず個人や集団の本質を示すものとして、生物学的定義を離れた社会的想像のなかで複製され続けている。本研究は、インドにおける生殖補助医療の場において、遺伝子が個人と集団の関係性の基盤として新たに現れるさまを検討し、遺伝的つながりをめぐる言説と実践をより広い社会歴史的文脈の中に位置づけることで、遺伝子本質主義という誤謬を相対化するものである。
|