研究課題/領域番号 |
16K16971
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
研究代表者 |
今石 みぎわ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 主任研究員 (80609818)
|
研究協力者 |
大井 理恵
北原 モコットゥナシ
谷本 晃久
戸澗 幹夫
濱岡 伸也
堀井 美里
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | アイヌ文化史 / イナウ / 北前船交易 / 比較民俗学 |
研究成果の概要 |
本研究は明治期に和人によって本州の社寺に奉納されたアイヌ民族の祭具・イナウの研究を核に、近世後期から近代におけるアイヌと和人の文化交渉史を再考することを目的とする。 奉納イナウの製作地(入手先)は、その形態的特徴からみて北海道・樺太の広い範囲に及んでおり、このことはイナウ奉納習俗が海上信仰のひとつの形態として、ある程度の広がりを持って和人船主に受け入れられていたことを示している。またこうした信仰が成り立つ背景には北前船交易や漁場経営のための和人の北方進出、和人とアイヌの信仰・儀礼の親和性、両者の文化が併存する社会状況等があったことが示され、両者の文化交渉の具体的在り方の一端が明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イナウ奉納はアイヌ―和人間の文化伝播と習合の一事例と位置づけられ、今後、イナウの類似祭具である本州の削りかけ状祭具との関わりを再検証する上で重要である。さらに、これまで積極的に取り上げられることのなかった、北から南(アイヌから和人)への文化伝播の様相が本研究により具体的に明らかにされたことは、アイヌと和人の関わりのあり方を再考し、列島上を交差する文化の道の多様性を見直す際にも、大きな意義を持つものと考える。
|